2010年08月08日

アナログ停波を迎える最終体制

総務省は、2011年7月24日の地上デジタル放送への移行期限に向けて、最終の1年間で必要となる体制の検討と実施すべき施策を整理した「地デジ最終年総合対策」を公表した。

地上テレビジョン放送については、2011年7月24日までに地上アナログ放送を終了し、地上デジタル放送への完全移行が予定されている。
総務省は、これまでの取り組みに加え、平成23年度に地上アナログ放送終了を迎えるために必要となる最終体制について検討を行うとともに、平成22年度内に特に重点的に取り組む施策をまとめた「地デジ最終年総合対策」を策定した。
2011年7月に、すべての国民が、地上放送のデジタル化への対応を完了し、引き続きテレビを視聴することができるよう、今後とも多くの関係者と連携・協力して、この総合対策を全力で実施していく。

●残された世帯等への最終確認活動
●1000人規模の地デジコールセンター体制
●全国1000か所程度の身近な臨時相談コーナーの設置
●ボランティア等による高齢者等への最終確認活動
●郵便事業鞄凾ニ連携した高齢者等100万人への働きかけ
●受信障害対策共聴施設(ビル陰難視)のデジタル化対応の加速
●新たな難視対策等の加速
●公共施設のデジタル化

総務省は、これまでも様々な環境整備・支援策を実施してきた。
具体的には、全都道府県に受信相談・現地調査等の拠点である「総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)」を設けるなど相談体制の強化、エコポイントによるデジタルテレビの購入支援や経済的弱者に対するチューナーの購入等の支援による受信機の普及促進、共聴施設のデジタル化・新たな難視対策のための働きかけや調査、支援等を行ってきた。

最終年において国民にデジタル化対応をできるだけ早期に行ってもらうとともに、アナログ放送終了を迎えるための体制に万全を期する必要がある。総務省として、これまでの取り組みに加え、平成23年度にアナログ放送終了を迎えるために必要となる最終体制について検討を行うとともに、平成22年度内に特に重点的に取り組む施策をまとめる。また、これらについて、あらゆる関係者と連携して推進する体制を整える。

1 残された世帯等への最終確認活動
高齢者、低所得者など、どのような世帯が、また、ビル陰施設やアパート・マンションなど、どのような施設が、どの程度の規模で地上デジタル放送に未対応か、本年末までに集約する。来年1月以降、アナログ放送終了までの半年間、これらの未対応の世帯等がテレビを視聴できなくならないよう個別対応等の最終的な確認活動を徹底して行い、来年7月のデジタル完全移行に万全を期する。
また、例えば、京都市では、京都中継局が7月24日に開局し、多くのアンテナ受信者に対する周知やビル陰難視世帯における対策が必要となる。このように短時間で多くの世帯の対応が必要な地域について、具体的な対応方法の住民への説明など重点的な対策を行う。

2 一日最大60万の問い合わせに対応できるアナログ放送終了のための最終体制
最終確認活動を行ってもなお、来年7月のアナログ放送終了間際に対応する人が集中することに備え、来年7月の体制に万全を期する。そのため、以下の点について来年度概算要求に盛り込むことを検討する。
(1)1000人規模の地デジコールセンター体制
来年7月には一日最大60万件の電話相談が集中すると想定される総務省地デジコールセンターおよびデジサポについて、適切な対応ができるよう対応人員・回線数を拡充する。
特に、地デジコールセンターについては、電話相談のピーク時に対応人員を現在に比べ10倍以上の1000人規模にするなど、抜本的に拡充する。
(2)全国1000ヶ所程度の身近な臨時相談コーナーの設置
直接対面しての相談に応じられるよう、来年7月前後の2ヶ月程度の間、市町村単位等の規模で、臨時相談コーナーを設置する。具体的には、市区町村の役場窓口等、生活に身近な場所に設置し、地域事情に応じた適切な助言や適切な対応者の紹介を行う。
(3)ボランティア等による高齢者等への最終確認活動
来年7月のアナログ放送終了後にテレビを視聴できなくなる高齢者等世帯が生じないよう、身近なボランティアがこの高齢者等世帯のデジタル化対応をサポートできる体制を整備する。具体的には、関係機関職員・社員・OB、学生、NPO、民生委員等、多くの方に地デジボランティアとして事前に地域に応じた研修を行い、高齢者宅等への声かけや地デジ対応のサポートを展開できるようにする。
(4)郵便事業鞄凾ニ連携した高齢者等100万人への働きかけ
郵便事業鰍フ協力を得て、地域に密着したその業務特性を活かし、高齢者等への地上デジタル放送の推進のための100万人声かけを全国で期間を決めて実施する。具体的には、郵便物等の配達業務の過程で、高齢者等に対して「地デジ対応はお済みですか」等の声かけを行い、まだ準備ができていない場合は総務省地デジコールセンターの連絡先を記載したカードを手渡し、高齢者等が相談できるようにする。

3 遅れている課題への対応
最終確認活動に先立ち、取り組みが遅れている課題について、年内の徹底した取り組みを実施する。
(1)受信障害対策共聴施設(ビル陰難視)のデジタル化対応の加速
ビル陰になる側の住民へのアプローチを強化し、これまでの施設所有者等の原因者側へのアプローチと合わせ対応を加速する。具体的には、「ビル陰・地デジ協議虎の巻(仮称)」を作成して協議を促進するとともに、受信障害解消エリアでの個別受信移行やケーブルテレビ等への移行の円滑化を促進する。
(2)新たな難視対策等の加速
新たな難視の対策計画策定のための地元対応や、辺地共聴施設のデジタル化対応等を一層加速する。そのため、ケーブルテレビの幹線整備や暫定的な難視聴対策の手法の追加(ケーブル加入対策)等の国の支援を拡充するとともに、関連の地方財政措置を拡充する。
(3)経済的な理由によりデジタル化対応が困難な世帯への対応
NHK受信料全額免除世帯に対するチューナー等支援の周知徹底によりこれらの世帯のデジタル化対応を促進するとともに、地方公共団体が、地域の実情に応じた自主的な支援を行う場合に新たに特別交付税措置を講じる。
これらの世帯のデジタル化対応の進捗状況を見極めつつ、更にどのような対策が必要かについては、引き続き検討を行う。
(4)高齢者等をはじめとする国民の皆様への周知広報等
地域特有の事情に特化した広報や各家庭における対応方法についての個別の相談に応じる取り組みを集中的に実施する。特に、生活圏に近い場所における相談会等の重点的な開催とともに、デジタル未対応の高齢者等世帯へは、地域の電器店やケーブルテレビ事業者が地デジサポーターとして自宅へ戸別訪問を行う。
また、周知広報に当たっては、公民館、病院、スポーツ施設、交通機関など多くの人が利用する施設等の協力をお願いする。
(5)公共施設のデジタル化
公共施設および公共施設等による受信障害施設のデジタル化は、本年12月末の完了を目標としている。しかしながら、本年3月末現在で、デジタル化対応が完了した各省庁所管の施設は1万8279施設中4838施設(約26%)、デジタル化対応が完了した地方公共団体は1797団体中557団体(約31%)、計画策定済みの地方公共団体は655団体(約36%)である。目標に沿って本年中にデジタル化を完了するよう取り組みを加速する。

4 あらゆる主体と連携した取り組み
最終年の取り組みに当たっては、NHK、民放、デジサポに加え、ケーブルテレビ事業者、地方公共団体、他省庁、その他あらゆる主体と連携した取り組みを行う。
(1)ケーブルテレビ加入者の円滑なデジタル化対応
ケーブルテレビ等の特徴を活かしたサービスが利用しやすく提供されることにより、全世帯の半数近くを占めるケーブルテレビ等の加入世帯が円滑にデジタル対応できるようにする。
▽デジアナ変換サービス
暫定的なデジアナ変換サービスについては、混信障害の発生が見込まれる等特段の事情がない限り、来年3月末までのできるだけ早い時期にサービスを開始するよう、自主放送を行うケーブルテレビ事業者等に対して働きかける。また、加入者が、デジアナ変換サービスについて誤った認識を持つことのないよう、その内容や暫定的措置であること等について、周知を徹底するよう働きかける。
▽地デジのみの再送信サービス
ケーブルテレビやブロードバンドによる地上デジタル放送のみの再送信サービスの早期導入と、視聴者が利用しやすいサービスメニュー、提供条件等を検討するよう、引き続きケーブルテレビ事業者等に対して働きかける。
(2)すべての地方公共団体に対する周知広報、公共施設のデジタル化対応等の依頼
本年7月23日付けで、地上デジタル放送への完全移行に関する住民への周知広報、公共施設のデジタル化対応等について、総務省からすべての地方公共団体に対して依頼文書を発出する。
(3)悪質商法対策マニュアルの公表(消費者庁と共同)
総務省や国民生活センターに寄せられた地上デジタル放送に関する悪質商法の相談等のうち典型的な事案に対するアドバイスの一例を示した対応マニュアルを、消費者庁と総務省が共同で作成・公表し、改めて注意喚起を行う。
(4)「相談」から「対応(工事等)」に円滑につなげるための仕組みづくり
デジタル化対応の前倒しを図るため、地デジコールセンター等への相談を円滑に電器店、工事業者等に紹介する仕組みについて検討する。また、来年7月に工事が集中する場合に適切に対応する体制、工事業者の確保方策等について検討する。
posted by chidejist at 10:14| 総務省報道